バングラデシュの社会福祉団体SHIとS.C.P. Japanが、スポーツを通じた社会課題解決およびインクルーシブな社会の構築に関するMoUを締結

一般社団法人S.C.P. Japanは、2025年8月、バングラデシュの社会福祉団体Sports for Hope and Independence(SHI)と、スポーツを通じた社会課題解決およびインクルーシブな社会の構築に関する基本合意書(MoU)を締結いたしました。

本提携は、アジアにおける「スポーツを通じた開発(Sport for Development)」の理念を推進し、スポーツを社会課題の解決に活かす取り組みが広がっていくことを目指すものです。両団体は、互いの知見を共有し合い、それぞれのプロジェクトに活かすとともに、合意に基づいて知見やリソースを分かち合い、互いの国に貢献していきます。こうした協力関係を通じて、アジアにおける「スポーツを通じた開発」の取り組みの発展に寄与することを意図しています。

【連携事項】
・スポーツ、身体活動、遊びを通じた人権とインクルーシブな社会の推進に関する連携(特に女の子や障がいのある子ども・若者のスポーツ参加促進や指導者の育成に関する連携)
・Safe Sportやセーフガーディングの推進に関する連携
・双方の経験や優良事例の共有、ならびに情報発信に関する連携
・双方が合意するその他関連分野における連携


【Sports for Hope and Independence(SHI)について】
SHIは、スポーツを若者の成長や地域変革の手段として活用するバングラデシュの社会福祉団体です。スポーツトレーニングとライフスキル教育を組み合わせたプログラムを通じて、農村部で不利な立場にある子どもや若者、特に女の子や障害のある人々を力づけています。2024年までに、訓練を受けた地元コーチとコミュニティセンターネットワークを通じ、1,500人以上の若者に影響を与えてきました。
WEB: https://shibangladesh.com/



【コメント】
S.C.P. Japan/代表理事 井上由惟子
「このたびSHIとの連携協定を締結できたことを大変嬉しく思います。S.C.P. Japanは、スポーツを通じて一人ひとりが自分らしく生きられる社会の実現を目指して活動してまいりました。本協定により、子どもや若者のエンパワーメント、インクルーシブ社会やジェンダー平等の推進、そして安心・安全なスポーツ環境の整備といった重要な課題に、より広い視点と強固なパートナーシップをもって取り組むことが可能になります。今後も両団体が互いの知見と経験を活かしながら協働を進め、アジア地域における「Sport for Development」の発展に寄与してまいります。」

SHI/Head of Sport for Development Pappu Lal Modak
「SHIは、S.C.P. Japanと手を携え、スポーツにおけるよりアクセスしやすくインクルーシブな未来を築いていけることを大変うれしく思います。今回の提携は、行動への呼びかけでもあります。私たちの草の根の取り組みと、S.C.P. Japanの革新的なプログラムおよびグローバルネットワークを組み合わせることで、アスリート、コーチ、そして地域社会に直接的なインパクトをもたらします。両団体は、実践的なプログラムの開発、重要な知識の共有、そして人々がフィールドの内外で最大限の可能性を発揮できるよう支援するために必要なリソースの提供に、共同で注力していきます。」


S.C.P. Japanは、「一人ひとりが自分らしく歩んでいける未来をつくる」というビジョンの下、スポーツを通じた教育・研修・人材育成・国際協力事業等を行っています。SHIとの連携を通じて、より多くの子どもや若者がスポーツを通じて可能性を広げられる社会を目指します。

【お知らせ】2025年度スポーツ活動ボランティア募集(医療・福祉関係者向け)

一般社団法人S.C.P. Japanは、「一人ひとりが自分らしく歩んでいける未来をつくる」というビジョンの下、ジェンダー・障がい・人権などに関連する様々な社会の課題に対してスポーツを介してアクションをしている団体です。この度、S.C.P.Japanの活動に参加してくださる、医療・福祉関係者向けのボランティアを新たに募集させていただくこととなりました。

今回、主に子どもや障がいのある女の子のスポーツ教室のサポートをしていただける方を募集しております。参加者が安心・安全に参加できるように、皆さんの知識や経験を活かしてご参加いただけると嬉しいです!

👟ボランティア募集中のプログラム(スポーツ教室):
①ハッピースポーツ教室(性別、障がい等に関わらず、誰でも参加OKなスポーツ教室)
②Find Fun スポーツ教室(障がいのある女の子とその兄弟姉妹のためのスポーツ教室)

📅日程:全10回(第一日曜日開催※2026年1月のみ第三日曜日)
2025年6月15日(日)、7月13日(日)、8月3日(日)、9月7日(日)、10月5日(日)、11月2日(日)、12月7日(日)、
2026年1月18日(日)、2月1日(日)、3月1日(日)
※会場の都合やプログラムの内容等により会場や開催日が変更となることがあります。
※1回〜の参加でもOK!

<ボランティア稼働時間:12:00~15:00>
①Happy スポーツ教室 12:30~13:30(受付12:20~)
②FindFunスポーツ教室 13:45~14:45(受付13:40~)

🏫会場:柏市立田中北小学校体育館(〒277-0802 千葉県柏市船戸1丁目7-1)
※つくばエクスプレス線 柏たなか駅より徒歩10分
※車の場合、校内駐車場の使用も可能です。
※夏季(7/13、8/3、9/7)は空調設備のあるリアクション(千葉県柏市千代田2-11-26カワチ薬品柏中央店2階)にて実施いたします

🏃ボランティア内容:
ー 医療・福祉専門職を活かしてのスポーツ教室の活動サポート
ー スポーツ教室の準備・片付け
ー その他、運営に関わる業務

🚃謝金交通費:
①ハッピースポーツ教室 2,500円(税込)
②FindFunスポーツ教室 2,500円(税込)

👥募集人数:各回5名程度

✏️申し込み方法 :
以下のURLよりお申し込みください。

【プライド月間特別オンラインイベント】齊藤夕眞が結果を出し続ける理由 〜“自分らしさ”の先に見つけたもの〜

プライド月間中の6月17日(火)にWEリーガー齊藤夕眞氏が自身の性のあり方にこれまでどのように向き合ってきたのか、そしてアスリートとしてのキャリア構築について語ります。

「スポーツを通じて、一人ひとりが自分らしく歩んでいける未来をつくる」をビジョンに掲げ、スポーツを通じた教育・研修・人材育成・国際協力事業等を行い、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンを促進し、共生社会を目指す活動をしている一般社団法人S.C.P. Japanでは、LGBTQ+の権利を啓発する6月のプライド月間に向けて、同法人理事である齊藤夕眞氏をスピーカーに迎え、オンラインイベントを開催いたします。

■イベント概要

タイトル:齊藤夕眞が結果を出し続ける理由     〜“自分らしさ”の先に見つけたもの〜
日時:2025年6月17日(火)19:30〜21:00
形式:オンライン(Zoom)
参加費:無料(要事前申込)

プログラム構成
Part 1(30分):齊藤夕眞パーソナルヒストリー
自身のアイデンティティや性のあり方とサッカーとの間で揺れ動いた20代。葛藤の時期を経て、どのようにして女子サッカーの最前線へと戻ってきたのか。本人がこれまでの人生と現在の気持ちを率直に語ります。

Part 2(60分):自分らしさが輝くセルフマネジメントと関係性の築きかた
自らの内面と丁寧に向き合ってきた齊藤選手は、プロとしてのキャリアを通じて、どのようにセルフマネジメントを実践し、周囲との関係性を築いてきたのか。現役選手としてプレーを続けながら、メンタルや人との関わり方についての学びを深めてきた齊藤選手が、その過程で得た気づきや視点の変化、そして実際に取り組んできたことを、包み隠さずお伝えします。


お申し込み
    ①フォームによる申し込み
    ② 本フォームでの申込みが難しい方は、お問合せ事項に記載の「連絡先」へご連絡ください。


■こんな方におすすめ

・若手アスリート・スポーツ系学生
・チーム/組織のしがらみの中で自分らしさを見失いそうな人
・LGBTQ+や多様性に関心のある指導者・スポーツ・教育関係者

■プロフィール

齊藤 夕眞(さいとう ゆうま)
プロサッカー選手(WEリーグ)/一般社団法人S.C.P. Japan理事
14歳頃から各世代別女子サッカー日本代表に選ばれ初め、2007年AFCU-16女子選手権大会、2008年FIFAU-17女子ワールドカップ出場、2009年AFCU-19女子選手権出場、2010年FIFAU-20女子ワールドカップに出場、2011年になでしこJapanポルトガル遠征選出、AFCU-19女子選手権出場などを経験。その後も浦和レッズレディースや、AC長野パルセイロレディース、ちふれASエルフェン埼玉などに所属し、2019年自身の性別に悩み引退。2021年よりヴィアマテラス宮崎の選手として現役復帰し、同時に自身が性的マイノリティのQであることを公表し、現役サッカー選手をしながら行政や教育現場、一般企業などに向けてLGBTQ+に関する講演やイベント活動などに積極的に参加している。2025年より日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)でプレー。

■主催:一般社団法人 S.C.P. Japan
S.C.P. Japanは「⼀⼈ひとりが⾃分らしく歩んでいける未来をつくる」をビジョンに掲げ、スポーツを通じて共⽣社会の実現を⽬指し、2020年に設⽴。①運動プログラム、②研修・啓発活動、③交流プログラムを柱に、あらゆる能⼒、⼥性、LGBTQ+、国際協⼒、セーフガーディングの5つのテーマに注⼒して、多様な団体と連携しながらプロジェクトを実施しています。 公式ホームページ:https://archive.scpjapan.com/

【報告】まぜこぜフットボールフェスティバルを開催しました!

多様性が交わる温かなひととき 〜年齢・性別・障がい・国籍を越えて〜

2025年3月1日(土)、千葉県・流山おおたかの森駅すぐのSAL SPORTS PARK OTAKANOMORIにて「S.C.P. Japan まぜこぜフットボールフェスティバル」を開催しました。

当日は、年齢、性別、障がいの有無、国籍などに関わらず、約50名の方々が参加。ウォーキングフットボールを通して、誰もが一緒にプレーを楽しめる、あたたかくインクルーシブな空間が広がりました。

■ 誰もが自分らしく楽しめるスポーツを

本イベントでは、走らない・ぶつからない・誰でも参加できる「ウォーキングフットボール」の特性を活かし、子どもから高齢者、障がいのある人もない人も、一緒に同じルールでプレーを楽しむことができました。

ルール説明の時間には、参加者からの質問や笑顔が飛び交い、試合中も互いに声をかけ合うシーンが多く見られました。

プレーがうまくいった時にはチーム関係なく拍手が起こるなど、勝敗にとらわれず、思いやりやユーモアが溢れる時間となりました。

■ スープで心も体もほっこり

フェスティバル終了後には、Soup Stock Tokyoの温かいスープを参加者の皆さまにお配りしました。スープの優しい香りと味に、たくさんの笑顔がこぼれました。

■ S.C.P. Japanのビジョンと今回のイベントのつながり

S.C.P. Japanは、「誰もが自分らしく生きられる未来をスポーツを通じてつくる」活動をしています。
今回のまぜこぜフットボールフェスティバルは、その理念を体現する取り組みの一つです。

競技の場においても、「勝つため」「うまくなるため」だけではなく、「出会い、つながり、ありのままの自分でいられる」スポーツの価値を広げていくことを、私たちは大切にしています。

今回のイベントでも、参加者同士が年齢、性別、障がいの有無、国籍などの違いを超えて関わり合い、自然とリスペクトが生まれる姿が印象的でした。

ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
また今後も、こうした”まぜこぜ”の場づくりを継続していきますので、引き続きS.C.P. Japanの活動を応援いただけますと幸いです。

Special Thanks

素敵な写真と映像でイベントの様子を記録してくださったCHIKARA MATSUMOTOさん、ありがとうございました!

▶︎ お問い合わせ
info@archive.scpjapan.com

団体ミッション及びロゴ変更のお知らせ

この度、自団体のミッション及び団体ロゴを本日2025年1月27日にリニューアルしたことをお知らせします。

■ 新ミッション

1.スポーツを活用し、人々と社会をエンパワーする。
  Maximize the Power of Sport. Empower People.

私たちは、1人でも多くの人にスポーツを通じてポジティブな経験や繋がりをもたらし、一人一人のエンパワーメントとウェルビーイングに貢献します。また、スポーツを社会変革のツールとして活用し、公正でインクルーシブな社会の実現を目指します。

2.スポーツのあり方を変え、新たな文化を築く。
  Change Sport. Build a New Culture.

私たちは、人々や社会にポジティブな変化をもたらす「スポーツの力」を信じています。しかし、スポーツの世界にはまだ多くの課題――差別、不平等、暴力、そして人権侵害――が今なお向き合うべき課題として存在しています。そのため、スポーツが誰に対してもポジティブな経験をもたらすものとなるよう、スポーツのあり方を変えていくことを重要なミッションの一つとしています。

3.協力して挑む。
  Make a Difference Together.

私たちは様々な団体や個人と連携・協力し、チームで取り組むことでミッション1,2を加速(Drive)させ、最大限のインパクトを目指します。

■ 新ロゴ:


■ ロゴに込めた思い

様々なスポーツが繋がり、人と人とが繋がっていく。
そして、強いエネルギーを持ち、風を起こす風車のように絆の輪が次々と広がっていくことをイメージしました。


これからも、「一人ひとりが自分らしく歩んでいける未来」の実現に向けて、一歩一歩、着実に活動を積み重ねてまいります。皆さまに愛され、応援していただける団体となれるよう、スタッフ一同さらなる努力を重ねてまいります。
今後とも変わらぬご支援・ご指導を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。


【報告】パートナー連携:S.C.P. Japan・おおくわこども食堂・TSUTSUJI株式会社が協働し、石川県にて「スポーツ×子ども食堂」イベントを開催!

スポーツを通じた共生社会づくりを推進する一般社団法人 S.C.P. Japanは、石川県金沢市の地元企業TSUTSUJI株式会社とパートナー契約を結び、石川県に元気を届ける活動を開始します。


PRTIMESリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000105291.html

一般社団法人 S.C.P. Japanと石川県の繋がり

これまでS.C.P. Japanでは、石川県金沢市おおくわを拠点に毎月子ども食堂を運営する「おおくわこども食堂」協力のもと、2021年から「スポーツ×子ども食堂」をテーマにコラボレーションイベントを実施してきました。おおくわこども食堂では「子ども食堂を単にご飯を食べる場所ではなく、食堂を利用する子どもやご家族が様々な繋がりや体験を得られる場所にしたい」という考えのもと、これまで「子ども食堂×〇〇」のイベントや活動を地域で定期的に行なってきました。S.C.P. Japanでもスポーツを通じて人と人とが繋がることを大切にし、開発と平和のためのスポーツの視点を取り入れ「スポーツ×〇〇」の活動を設立当初から行なってきており、さらに団体創設メンバーの1人である繁浪由希が金沢市出身であることから、コラボイベントが実現。この定期的な連携イベントを通して、繋がりが希薄化し、助けが必要な時に助けを求められないそんな社会やコミュニティを変えたいという共通の思いで継続してきました。そしてこの度、両者の抱く子どもたちや地域づくりに対する思いに共感した金沢市で足場業を営むTSUTSUJI株式会社が新たに仲間に加わり、第4回目のイベント開催が実現しました。


「モグモグサッカーフェスタ〜元気!勇気!幸せを届ける食堂〜」開催報告

今回これまで行なってきた「スポーツ×子ども食堂」イベントを「モグモグサッカーフェスタ」と新たに名付けて開催。会場は室内フットサルコート2面とキッチン・カフェスペースを兼ね備え、地域の様々な方が繋がる居場所となっているmark sports communityを前回に引き続き利用させていただきました。当日は、年齢や性別、障がいの有無などに関係なく51名の方々にご参加いただき、前半は一緒に運動を楽しむ活動を行いました。サッカーの試合では、「歩くサッカー」と「走るサッカー」の2コートを用意し、子どもたちや一緒に参加をしている保護者の方が自分のプレーしたい方法をその時の気持ちに合わせて選べるようにしたり、その場で一緒にルールを決めたりしながら取り組むことで、誰にとってもインクルーシブな環境づくりを目指しました。最初は緊張した様子だったお子さんや保護者の方も、一緒に身体を動かすことで次第に笑顔いっぱいで楽しむ姿がみられました。


運動後はおおくわこども食堂スタッフとTSUTSUJI株式会社の従業員の方々が準備してくださった食事をカフェスペースにていただき、団欒の時間を過ごしました。毎年ご参加いただいているご家族もおり、「このイベントの開催を毎回楽しみにしています!」と開催を喜ぶ声もいただきました。


イベントの最後には、TSUTSUJI株式会社繁浪大基代表取締役から参加の子どもたちに向けて「人と自分を比べたり、人に合わせたりする必要はない。これからも自分を信じて突き進んでください」という大切なメッセージを届けていただきました。

イベントの様子(動画)


TSUTSUJI株式会社 代表取締役 繁浪大基氏からのコメント


普段は建設業の足場工事を行なっています。僕自身、小さい頃からサッカーをしていて、今はコーチをしており、なにか会社としてサッカーを通じたイベントをしたいという思いから、今回のイベントをお手伝いさせていただきました。我々TSUTSUJIの理念である、『元気、勇気、幸せをつくる』をサブタイトルにしていただき、参加した子ども達に届ける思いでしたが、S.C.P. Japanさんの子ども達に対する素晴らしい関わりで、子ども達の笑顔といきいきとした表情を見ることができ、逆に元気付けてもらいました。今後もこのような機会がありましたら、ぜひご協力させていただきます。本日は誠にありがとうございました。それでは皆さん、今日も最高の一日に!

  • ご協力いただいた団体一覧

協賛:TSUTSUJI株式会社(https://www.tsutsuji-ishikawa.com/


協力:おおくわこども食堂


会場協力:mark sports community(https://markspo.com/

<パートナー連携に関するお問い合わせ>
メール:info@archive.scpjapan.com
電話:090-9974-1012(担当:井上)

【報告】第7回Break Talks「テーマ:誰もが楽しめるボルダリング」(2023.3.8)国際女性デー特別企画

3月8日(水)の国際女性デーに、第7回BreakTalksを開催しました。今回は国際女性デー特別企画として、住友商事株式会社(以下、住友商事)(※1)が共催。ゲストに、東京2020オリンピックの日本代表で住友商事が応援しているプロクライマーの原田海(はらだ かい)選手をお招きし、19人の参加者とともに、「誰もが楽しめるボルダリング」をテーマに対話をしました。

原田選手は、2018年の世界選手権ボルダリング種目で優勝を飾り、東京2020大会でも日本代表として出場するなど、国内随一の才能を持つ選手として活躍しています。「自分に打ち克つ」ことを信条とし、日々セルフプロデュースを実践する他、クライミングの魅力を広めるためにさまざまなメディアでの発信も行っています。

イベントは原田選手とモデレーターの折目真地さん(S.C.P. Japan)のトークセッションから始まりました。原田選手は競技を続ける傍ら、クライミングの普及活動もされているそうで、「ボルダリングがスポーツクライミングの中の3つの競技のうちの1つで、道具を一切使わず、高さ4メートルから5メートルの壁を自分の身体のみで登る競技である」と、基礎知識を参加者に共有しました。

原田選手は幼い頃に、偶然立ち寄ったクライミング施設で、性別や年齢などに関わらず誰もがクライミングを楽しんでいた様子を見てクライミングに惹かれたよう。「競技が始まる前に登るルートを下見し、選手同士が登り方を話し合う時間が、クライミングの特徴であり、魅力である」と語りました。

母子家庭で育った原田選手にとって、クライミングとの出会いは特別でした。「家で一人でいる時間が長くつらい時もありましたが、クライミングに出会ってジムで仲間と練習をして、夢中になれる時間が作れた」とのこと。子どものサポートをしている非営利団体と積極的に関わるのも、子どもたちに夢中になれるものを持ってもらいたいとの思いがあるとのことでした。

また、クライミングは、男女の差をあまり感じにくい競技のようで、「同じクライミングの課題を前にしても、女性の方がパフォーマンスが高いことも良くある」と原田選手。クライミングは女性もチャレンジしやすい競技であることが伺えました。

トークセッションの後は、パネルディスカッションが行われ、障がい者のクライミング普及活動をしているNPO法人モンキーマジックの白井唯さんとS.C.P. Japanで障がいのある女の子の運動プログラムを担当している井上由惟子さんの2名が加わりました。

モンキーマジックは「見えない壁だって超えられる」をモットーに、視覚障がいの方を対象としたクライミングスクールとして始まり、今は多様な障がいのある方にも参加いただいているそうです。白井さんは「視覚障がいのある方は、手で握るホールドの位置や色が見えないのでHKK(方向・距離・形)という独自の手法でホールドの位置を伝えている」と紹介しました。

一方で、障がいのある女の子が運動に参加することが難しい状況にあると井上さんは感じています。S.C.P. JapanのFind Funスポーツ教室は、知的障がい、発達障がいのある女の子のためのスポーツ教室です。「障がいのある子ども向けの運動教室をすると男の子の参加が圧倒的に多い。女の子に特化したプログラムを始めたところ、毎回10人程度の参加者が来てくれている」と、障がいのある女の子へは異なるアプローチが必要であったと話しました。

原田選手は「運動能力や性別に関わらず、強い選手も沢山いる」とクライミングの特徴を教えてくれました。みんなで助け合い、競技をしながらも、個々の特徴に合わせてチャレンジできる空間があるクライミングの魅力が紹介されました。

最後に、運動の場が楽しくあるここと、そして安全・安全に自分らしいチャレンジが積み重ねられる場所を提供していきたいとディスカションが締めくくられました。

S.C.P. Japanは、BreakTalksを通して今後も多様なゲストや様々な活動を紹介し、多様な人々が集まる場となることで、多様性や共生社会についてより深く考えるきっかけを作りたいと考えています。

今回のイベントは、住友商事株式会社(以下、住友商事)にご協力いただき実施にいたりました。S.C.P. Japanが住友商事の「100SEED」(※2)に所属するメンバーから、営業資料の作成をサポートいただいたことがきっかけです。

■住友商事プロボノチームのS.C.P. Japanへのご支援に関する詳細はこちら:

本企画を実施するにあたり、参加を快くお引き受けいただきました原田選手、白井さん、協力団体としてご尽力いただきました住友商事の皆さま、手話通訳者様、そしてご参加いただきました参加者及び関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

※1 住友商事は2018年よりゴールドスポンサーとして、公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会に協賛。2019年からは、原田海選手とスポンサー契約を結んでいます。

スポーツクライミング | 住友商事 (sumitomocorp.com):

https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/special/climbing

※2 住友商事の「100SEED」

世界各地の住友商事グループ社員が、「良質な教育」をテーマに、自ら対話し、積極的に参加することで、それぞれの地域社会の教育課題の解決に取り組む社会貢献活動プログラム

【告知】3月8日の国際女性デーに第7回「BreakTalks(テーマ:誰もが楽しめるボルダリング)」を開催!プロクライマーの原田海選手(東京2020オリンピック日本代表)を招き、共生社会について考えます。

BreakTalksは、「一人ひとりが自分らしく歩んでいける未来を創る」を統一テーマに、多様なゲストをお招きし共生社会について議論するオンライン(時々オフライン)イベントです。多様なゲストの様々な活動を紹介し、お集まりいただいた参加者の皆さまと、多様性や共生社会について共に考えることを目的としています。

一般社団法人S.C.P. Japan(以下、S.C.P. Japan)は、住友商事株式会社(以下、住友商事)と連携して3月8日(水)の国際女性デーにオンライン交流イベントである「BreakTalks(※1)」を開催します。ゲストには住友商事が応援している(※2)プロクライマーの原田海選手(東京2020オリンピック日本代表)をお招きします。国際女性デーを祝して、テーマは「誰もが楽しめるボルダリング」。性別や障がいの有無にかかわらず、誰もが参加できるボルダリングをきっかけに、一人ひとりが自分らしく歩んでいける未来について参加者と一緒に考えます。

※1
多様なゲストや様々な活動を紹介し、多様な人々が集まる場となることで、多様性や共生社会についてより深く考えるきっかけを作ることを目的に、2020年から約2か月に1回のペースで開催している交流イベントです。これまで「LGBTQ+」「子ども食堂」「インクルーシブな場づくり」「精神障がい」「トランス女性」「エシカルな選択」などのテーマでゲストと一緒に考えてきました。これまでの開催レポートはこちら:
https://archive.scpjapan.com/breaktalk

※2
住友商事は2018年よりゴールドスポンサーとして、公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会に協賛。2019年からは、原田海選手とスポンサー契約を結んでいます。
スポーツクライミング | 住友商事 (sumitomocorp.com):
https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/special/climbing

3月8日国際女性デーに開催の「第7回BreakTalks」。ゲストはプロクライマーの原田海選手

BreakTalksは、「一人ひとりが自分らしく歩んでいける未来を創る」を統一テーマに、多様なゲストをお招きし共生社会について議論するオンライン(時々オフライン)イベントです。多様なゲストの様々な活動を紹介し、お集まりいただいた参加者の皆さまと、多様性や共生社会について共に考えることを目的としています。

第7回の今回は、住友商事と共同で、2023年3月8日(水)の国際女性デーに開催します。ゲストには、住友商事が応援しているプロクライマーの原田海選手をお招きします。テーマは「誰もが楽しめるボルダリング」。障がいや性別に関わらず、誰もが自分らしく生きていける共生社会について、ボルダリングを切り口に考えます。

1.日時:2023年3月8日(水)20:00〜21:15
2.今回のテーマ:「誰もが楽しめるボルダリング」
3.イベント内容: ※内容は一部変更となることがあります。
  主催団体紹介/協力団体紹介/今回のテーマについて(10分)
  ゲストトーク(15分)*インタビュー形式
  パネルディスカッション(30分)
  Q&A (15分)
  まとめ/アンケート(5分)

4.登壇者
◆ゲスト:原田海(はらだ かい)選手
IFSCクライミング世界選手権2018 ボルダリング種目 金メダル
東京2020オリンピック競技大会 出場

<プロフィール>
1999年3月10日生まれ、大阪府出身。2018年の世界選手権ボルダリングでシニア大会初タイトルを飾り、21年夏の東京2020オリンピックに出場するなど国内随一の才能を持つ。 “自分に打ち克つ”ことを信条とし、自らの感覚と物差しを信じて進むなどセルフプロデュースを日々実践している。

◆パネリスト:井上由惟子さん(一般社団法人S.C.P. Japan共同代表)
2019年からはバルサ財団の日本におけるMethodological Coordinatorを担い、日本障がい者サッカー連盟の業務に関わる。知的・発達障がいがある女の子のためのスポーツ教室「Find Fun スポーツ教室(千葉県柏市)*」のプログラム責任者。2023年1月29日(日)は、プログラムの一貫でボルダリング体験会を実施。*Find Fun スポーツ教室はナイキ・コミュニティインパクト・ファンドの助成を受けて実施しています。

◆パネリスト:白井唯さん(NPO法人モンキーマジック/日本パラクライミング協会理事)
2021年よりモンキーマジックにて、障害の有無に関わらずクライミングを通じて様々な人が交流できるイベントや障害のある女性のエンパワーメント向上を目的としたチャレンジドガールズクライミングスクールなどのプロジェクトディレクターを担当。1月29日(日)の「Find Funスポーツ教室」では講師として、参加者のクライミング体験をサポート。
※モンキーマジックは、「見えない壁だって、越えられる。」をコンセプトに、フリークライミングを通じて、視覚障害者をはじめとする人々の可能性を大きく広げることを目的とし、活動しているNPO法人です。
https://www.monkeymagic.or.jp/

◆モデレーター:折目真地さん(一般社団法人S.C.P. Japanメンバー)
2021年4月よりS.C.P. Japanのジェンダー・LGBTG+に関する業務を幅広く担当。国内外でスポーツを通じたジェンダー平等及びLGBTQ+の理解促進に関するプロジェクトを実施。筑波大学スポーツ国際開発学共同学専攻を修了。

5.参加対象:誰でも参加OK!
 *日本手話通訳あり。UDトークなどをお持ちの方は併用でご使用ください。
6.方法:オンライン開催「Zoom」(オンライン会議システム)を使用
7.参加費:無料
8.お申し込み方法
こちらのURLからお申込みください。締め切りは2023年3月6日(月)18:00です。

*S.C.P. Japanは一人ひとりが自分らしく歩める未来を皆さんと一緒につくっていきたいと思っています。皆さんと情報共有をしたり、実際に多様な人たちが集まる場づくりを大切にしています。S.C.P. Japanの活動に賛同し、応援してくださる場合は、500円から皆さんのお気持ちに合わせて任意でご寄付をご検討いただけますと幸いです。

<BreakTalks応援寄付ページ>
URL:https://onl.la/6gke8yrhttps://forms.gle/5ACGaoN2pPfGyBL6A

S.C.P. Japanが住友商事「100SEED」のプロボノ支援を受け、営業資料を作成

S.C.P. Japanは2022年度、認定NPO法人サービスグラント(以下、サービスグラント)のプロボノ支援プロジェクト(※3)を通じて、住友商事の「100SEED(※4)」参加メンバーから営業資料作成のサポートをいただきました。S.C.P. Japanの持続可能な団体運営のために、法人の皆様に弊団体の取り組みをご説明し、協働事業及び支援をお願いするための資料として活用していきます。

今回のプロボノ支援において、住友商事には、細かなヒアリングや、弊団体へのプログラムへの参加など、寄り添ったサポートをしていただきました。スポーツをツールとして、障がい、女性、LGBTQ+、国際協力といった複数の課題に対して同時にアプローチをするS.C.P. Japanは、事業が複雑で、第三者にわかりやすく活動を伝えることが課題となっていました。また、団体としても2022年は3期目に入り、助成金だけに頼らない多様な財源を確保しながら持続可能な団体運営の土台を作ることが重要な時期となっています。

S.C.P. Japanが直面している課題は、多くの非営利団体が抱える課題と類似していると思います。多種多様な企業と事業を展開する住友商事の専門性の高いサポートにより、S.C.P. Japanの活動をより持続可能にしていくための準備を整えることができ、嬉しく思っています。

また、この度のご支援にあたり、様々なご調整をしていただいた、サービスグラントの皆様にも感謝申し上げます。

◆住友商事プロボノチームからのコメント
プロボノ支援としてS.C.P. Japanの事業と携わる貴重な機会を頂きました!皆様の常に前向きな姿勢から大きな刺激を受けました。人生100年時代、活動範囲、視野を広げるきっかけになりました。また我々メンバーの社内での声掛けが一つのきっかけになり、今回のイベントが実現に至ったことも嬉しい限りです。このご縁を今後も大切にしたいと思います!

※3 認定NPO法人サービスグラント
“社会課題を前に、誰もが行動を起こし、違いや可能性を活かしあいながら協働できる社会”を目指し、企業人の経験やスキルを活かした「プロボノ」によって非営利組織が抱える課題の解決に取り組むプロジェクト型支援のコーディネート等を行っています。2023年1月現在、プロボノ登録者は7,700人を超え、累計1,200件以上のプロボノプロジェクトを実施しています。公式ホームページ:https://www.servicegrant.or.jp/

※4 住友商事の「100SEED」
世界各地の住友商事グループ社員が、「良質な教育」をテーマに、自ら対話し、積極的に参加することで、それぞれの地域社会の教育課題の解決に取り組む社会貢献活動プログラム

【報告】第6回Break Talks「テーマ:エシカルな選択」(2022.9.22)

9月22日(木)、S.C.P.Japanは、第6回目となるBreakTalksを実施しました。今回は、稲葉 哲治(いなば てつじ)さんをお招きし「エシカルな選択」をテーマに開催しました。

稲葉哲治さんは、開成、東京大学から一転、中退して社会的ひきこもりを経験。その当事者性を活かしてセゾングループ人材会社にてNPO協働事業等を担当後、日立グループにて新規事業、若者キャリア支援会社起業、人事、人材コンサルタントを経て、日本最大の人事・HRメディアにて人事コミュニティ運営等に従事されました。

現在は『えしかる屋』の他、サーキュラーエコノミー×人事・働き方のメディア『サーキュラーHR』編集長、ダイバーシティ&インクルージョンを推進するNPO法人GEWEL理事、ワールドカフェ・OSTファシリテーターとして活動中。エシカルを軸にソーシャルセクターでも活動し、鎌倉のセレクトショップ「えしかる屋」の運営やエシカルファッションショーのプロデュースなどで人と社会の関わり方の変革を行う他、ソーシャルビジネスのハンズオンインキュベーションも実施されています。

冒頭にS.C.P. Japan の折目が、今回のテーマに決めた経緯を紹介し、稲葉さんによるトークをお届けしました。その後、参加者が考えたことや感想を共有し合いました。稲葉さんに対しても質問が多く寄せられ、一つひとつ丁寧にご回答いただきました。

エシカルとは?

稲葉さんの自己紹介の後、そもそも「エシカルとは?」という問いかけからはじまりました。なぜこの言葉を今、考えなければいけないのか。それは、社会の仕組みが変わってきたことが大いに関係すると稲葉さんは言います。これまでは、大量生産、大量消費、大量廃棄が当たり前でした。言い換えれば、たくさん作り、どんどん使って、捨てる。モノだけでなく、人も同じです。畜産業も人道的なやり方から外れた工業畜産というやり方で、生産性・利益のみが求められてきたと言います。気候変動も森林伐採や人の傲慢なふるまいによるところが大きく、有限な資源を守るために今までのやり方を変えなくてはいけない時期に来ています。それこそ、持続可能な社会への転換期にきているのではないでしょうか。

SDGsはサステイナブル

国連が定めたSDGs。今や取り組む企業も増え、日頃、目にすることが多くなりました。実はその前に国連はMDGsという目標を定めていました。MDGsが、先進国が途上国の問題をどのように変えていくか、というところに観点を置いているのに対し、SDGsは一人一人が当事者。分け隔てなく、みんな同じようにゴールを目指そうという点に重点を置いています。言い換えれば、いい社会をつくる仕組みをつくっていこうという、サステイナブルの取り組みです。

「サステイナブル」と「エシカル」の違いとは?

同じ言葉だと思っている人が多いのですが、明らかに違う点があると、稲葉さんは指摘します。サステイナブルは、いわばハード面であり、より良い社会をつくるための仕組みです。社会のあり方で、制度やビジネスモデルだとも言えます。一方で、エシカルは倫理であり、行動規範です。ソフト面であり、個人の価値観だとも言えます。

例えば、アーミッシュと呼ばれる人たちがアメリカには住んでいます。彼らはテクノロジーやデジタルなものから距離を置き、中世と同じような暮らしを今でもしています。しかし、私たちも彼らのように江戸時代と同じような暮らしをしろと言っている訳ではありません。大事なのは、科学技術や文化の発展と共に、地球環境をより良くする行動と両立させていくことです。現状維持ではなく、どのように持続可能な状態に移行していけるのかを私たちは考えなければいけません。

より良い未来を作る仕組みをサステイナブルと言う観点でつくるとしたら、エシカルはあなたが、私が、個人が、より良い未来を作っていくために何をするか、どうするかを決めることです。一人ひとり違う、自分自身のあり方、人と社会の関わり方を考えるのがエシカルだ、と稲葉さんは言います。

私たちが普段使っている携帯電話、パソコン、一つをとっても背景にはさまざまな物語があります。例えば、服一枚を見ても、バングラデシュの「ラナプラザの悲劇」のように縫製業の過重労働があるかもしれないし、アパレルの店員さんたちが足を棒にして売っているのかもしれない。つながりの中で、いいことや悪いことが存在することは自明で、どちらか一方だけが存在することはありえません。

※「ラナプラザの悲劇:2013年4月24日、バングラデシュ人民共和国の首都、ダッカから北西約20キロの街・サバールで起きた商業ビル「ラナプラザ」の崩壊事故。縫製業に関する最大の事故として世界に知られている。ビルの倒壊で亡くなった方は1100名以上。負傷者は2500人以上、行方不明者は500名以上という大惨事だった。崩壊の原因がミシンの振動や発電機によるためであり、亀裂があり使用停止を言い渡されていたのにもあったのにもかかわらずビルのオーナーは営業を続け、守られるべき多くの命が失われた。違法な増築も原因の一つとされている。

パタゴニアの創業者であるイヴォン・シュイナードさんの言葉も紹介してくださいました。

「もしあなたが、世界で起きている問題を知っているのに何も取り組まなければ、あなたも問題の一部になる。でも、あなたが勇気を出して何かに取り組めば、あなたは解決の一部になる。」

稲葉さんの発表資料より

反作用が起きることを恐れない

エシカル=環境、ではありません。稲葉さんは、「あなたはどう生きますか?」という問いであり、より良い未来につなげるための自分自身の行動規範だと何度も強調されていました。自分自身の規範=エシカルに基づきながら、どのような未来を作りたいのかを決めて行動すること。そして、その際に生まれる反作用も引き受け、無視したり、誤魔化したりせずに行動することだと。稲葉さんは、反作用の一例として、ご自身が「えしかる屋」で開催しているファッションショーの服装を挙げてくださいました。

 例えば、ビーガン・ファッションを身に纏った女性。エコファーやカポックを身につけています。動物愛護、体質、地球環境などさまざまな要因から、人はビーガンファッションを選択します。一方で、人間も動物だから肉や毛皮を一概に拒絶するのは不自然だという声もあります。羊の革製品を身につけている女性には、産地のアフリカ諸国を応援したいという気持ちがあります。国際協力の観点からこの女性はこのアイテムを選択したわけですが、「国際協力」と「地産地消」も対立する顕著な例です。

彼女たちは、それぞれ自分が守りたい行動規範に沿って行動しているにすぎません。目先では対立しますが、認め合えるものです。一見、真逆の考えで、価値観がぶつかるように見えますが「より良い未来を作る」という目的は一致しています。つまり、認め合える行動規範です。ぶつかり合うものは、認め合いながら、より良い解決策を常に探っていくことができるのです。物事はすべて結局つながりあっていて、切り離すことはできません。

「エシカル」は行動規範ですから、誰にもできますし、何を選択肢しても間違いではありません。身の回りのたくさんのつながりを知って、自分が作りたいより良い未来、ソーシャルグッドに繋がる選択をしていく。これこそが今回のテーマである「エシカルな選択」です。

対立を理解しつつ、その後の改善方法や仕組みづくりを考えることで、一人ひとりが折り合いのつく立ち位置を探すことができるでしょう。

最後に

今回のレクチャーとディスカッションを通して、一人ひとりが自分らしく「エシカルな選択」をするにはどう考えればよいか、選択するためのヒントを得ることができたと思います。自分オリジナルの行動規範「マイ・エシカル」を決め、一人ひとりがより良い未来を目指して、違うことをやることにより、相乗的に社会がよくなっていくことを期待します。

S.C.P. Japanは、BreakTalksを通して今後も多様なゲストや様々な活動を紹介し、多様な人々が集まる場となることで、多様性や共生社会についてより深く考えるきっかけを作りたいと考えています。

最後に本企画を実施するにあたり、参加を快くお引き受けいただきました稲葉さん、運営面で動いてくださったスタッフ、手話通訳の皆様、そしてご参加いただきました参加者及び関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

【報告】第三回BreakTalks「テーマ:インクルーシブな場づくり」(ゲスト日比秀則さん)を開催しました。(2021.10.26)

10月26日(火)、S.C.P.Japanでは第三回となるBreak Talksを実施しました。「インクルーシブな場づくり」というをテーマに、任意団体「ウォーキングサッカー・イン・ザ・サイレンス」で活動され、聴覚障がいをもつ当事者でもある日比秀則さんをゲストにお招きし、聴覚障がいやデフサッカー、ウォーキングサッカー・イン・ザ・サイレンスの活動についてお話していただきました。さらには日比さんのお話をキッカケに、「インクルーシブって何だろう?」「インクルーシブな場づくりの工夫」などについても参加者の積極的な発言から意見交換する機会となりました。

まず、今回のゲストである日比さんが聴覚障がいをおもちだからというだけでなく、参加者のリアクションがないとスピーカーはちょっと寂しいねということで、「聞きながら頷くなどのリアクションを取ってみましょう。」や、簡単な手話の共有、そしてUDトークというシステムを活用してZoomに字幕表示をしながら進めることが主催者から説明されました。もちろん、今までのBreak Talksと同様に、手話ボランティアの方々による手話通訳も行われました。

聴覚障がいについて

前半のゲストトークでは、日比さんがご自身の聴覚障がいについて、「聴こえない」「聴こえにくい」とはどういうことなのか?ということを、言葉だけでなくイラストなども交えて紹介してくださりました。

聴覚障がい者とは、耳の聞こえない方、聞こえにくい方のことです。日比さんご自身は、「先天性感音性難聴 105dB(デシベル)」という症状になるそうです。日比さんの「聴こえにくい」という感覚の説明は、下記のようなイラストも交えながら行われました。日頃「聴こえている」なかで生活しコミュニケーションしている参加者にとって、すぐにすべてを理解することは難しくても、「聴こえない、聴こえにくいとは、こういうことかな?」と想像をすることができるよう、とてもわかりやすくご説明いただきました。

日比さんご自身は、幼少期から成長の過程で、特別支援クラスなどもない環境の中で過ごされたそうです。学校生活では、一番前の真ん中の席に座り授業を受け、発表は免除などの配慮はあったようですがほとんどの授業が、教員の話している内容がわからないまま進んでいたそうです。当時は、発表の免除は「ラッキー!」ぐらいに考えていたそうですが、人前で話をすることに関して成功体験も失敗体験もすることなく、社会に出てから人前で話すことを初めて経験し、難しさを感じたということもお話してくださいました。「BreakTalksのゲストを務める今もとても緊張しています。」と素直なお気持ちを参加者の方に伝えてくださいました。

発声に関しては、小学校1年から6年生まで「ことばの教室」に通われ、言語聴覚士の先生に発声の仕方を学ばれたそうです。それでも、例えば「自動車」と発声して人に上手く伝わらない時は、「車」という言葉に言い換えるなどして伝える工夫をされていることも教えてくださいました。

手話は、小中高と手話を覚える機会のないまま過ごされて、大学生になってから同じ障がいの方と出会い、手話を覚えるきっかけになったというエピソードもお話くださいました。

デフサッカーの魅力

デフサッカーは、「音のないサッカー」とも呼ばれ、健聴者同士の試合と比較すると試合中の発声はほとんどありません。だからこそ、「目に見える情報だけで判断し、ゲームを進める」というのがデフサッカーの魅力の一つでもあると日比さんは教えてくれました。例えばディフェンスラインは、何も声をかけ合うことなく無言でラインを揃えてオフサイドトラップをかけるなど具体的な事例もご紹介くださいました。

ウォーキングサッカー・イン・ザ・サイレンスの活動

日比さんは、長年、サッカーに携わっており、2019年に日本サッカー協会のスポーツマネジャーズカレッジ(SMC)サテライトを受講したことをキッカケに、「ウォーキングサッカー・イン・ザ・サイレンス」という活動を企画し、2020年1月に任意団体を設立。東京と横浜で月に1回ほどのウォーキングサッカーの活動や、月に1回オンラインにて「手話べり」という活動を行っています。

【ウォーキングサッカー・イン・ザ・サイレンスのHP】https://wsits2020.com/

ウォーキングサッカー(ウォーキングフットボール)は、性別や年齢に関わらず、初心者・経験者のスキル差も気にすることなく行えるスポーツです。ここ3~4年で日本ではインクルーシブ・スポーツとして注目されるようになりました。(日本ウォーキング・フットボール連盟 https://jwfl.amebaownd.com/
日比さんも「一人ひとりに合ったコミュニケーション方法(声を出すコミュニケーションが苦手、難しいなど)」に関して、それぞれが自主性・主体性を持って、楽しみながら理解するきっかけを作ることを目的にウォーキングサッカーを活用しようと考えたそうです。

東京での「ウォーキングサッカー・イン・ザ・サイレンス」の活動では、他のウォーキングサッカーの活動と異なる点があります。それが試合時のルールです。1ゲーム目2ゲーム目は音や声を出すことを禁止とし、最後の3ゲーム目には音や声を出してもOKとします。1ゲーム目2ゲームでの体験を経て、3ゲーム目では一人一人が主体的に聴覚障がい者が孤立しないよう考え行動(プレー)します。「一人ひとりに合ったコミュニケーション」って何だろう?どうすれば、聴こえない人も聴こえにくい人も、聴こえる人も、声を出すことが苦手な人も、コミュニケーションを取ることができるのか?をウォーキングサッカー・イン・ザ・サイレンスを通して体験することができるのだと感じました。その他、横浜での活動では、障がいのあるなしも年齢もごちゃ混ぜになって行うインクルーシブなウォーキングサッカーも展開しています。

インクルーシブな場とは?

前半のゲストトークを受けて、後半は「インクルーシブって何だろう?」「インクルーシブな場づくりの工夫」などを参加者の方が積極的に意見交換をすることで交流する時間となりました。

インクルーシブな場を提供するために、参加者を「誰でも」と表現することで誰でもが参加しやすくなる場にならないという課題が共有されたり、困っている人が「困っていることに気づき、助けてほしい」と周りに助けを求められる環境が大事だよねという議論になったりと、いろんな立場の参加者が意見することができました。

日比さんからも、参加している子どもは「ただいるだけ」で楽しそうなのに、周囲の人はお世話をしようとしすぎてしまう時があると活動における課題の共有もありました。

最後に、日比さんから「インクルーシブって言葉だけだと難しく感じますよね。私は『インクルーシブ=お互いさま』だと思っています。」という発言があり、その言葉がとっても腑に落ちるような感覚を皆で感じながら、第三回BreakTalksは、時間いっぱいまで盛り上がって終了となりました。

S.C.P. Japanは、BreakTalksを通して今後も多様なゲストや様々な活動を紹介し、多様な人々が集まる場となることで、多様性や共生社会についてより深く考えるきっかけを作りたいと考えています。

最後に本企画を実施するにあたり、参加を快くお引き受けいただきました日比さん、運営面で動いてくださったボランティアスタッフ、手話通訳の皆様、そしてご参加いただきました参加者及び関係者の皆様に心より感謝申し上げます。